白内障手術で失敗?防ぐための重要なポイントを解説

白内障手術で失敗?防ぐための重要なポイントを解説 白内障

「白内障」という病気の原因は、加齢によるものが一番多く、80代以上ではほとんどの方が白内障になっているとされています。

そして、ある程度進行した白内障は「手術で治す」ことが一般的です。

そのため、一生のうち、多くの方が白内障手術を経験されることになりますが、「手術」という言葉に不安・心配な気持ちを持たれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回の記事が、みなさんの「白内障手術で失敗する可能性は?」「そうならないようにするためにはどうすればいいの?」という不安やお悩みを解決できる一助になればと考えます。

白内障手術とは

白内障の状態

白内障は、目の水晶体という部分が濁ってくる疾患です。

原因は様々ありますが、一番多いものは加齢によるもので、年齢を重ねるとすべての人が白内障になるといっても過言ではありません。

薬で白内障の進行をゆっくりにすることはできますが、治療のためには手術の必要があります

白内障手術では濁った水晶体を取り除き、その「水晶体」の代わりとなる「人工眼内レンズ(人工の水晶体)」を挿入します。

成人では通常、局所麻酔で行います。目薬による麻酔のため、痛みはほとんどありません。

白内障手術は全国で年間約170万件以上行われており(*1)、国内で最も行われている手術と言っても過言ではありません。

白内障手術は日々進歩しており、より安全な眼内レンズや白内障機器、技術による執刀が行われています。

*1参考文献: 一般社団法人日本眼科医療機器協会「眼科レンズ国内出荷推移」より

白内障手術における失敗はほとんどない

先程、白内障手術は年間約170万件以上行われていること、その技術は日々進歩していることをお話しました。

また、基本的に5分〜10分程度で終わることもあり、「白内障手術はほとんど失敗のない手術」といっても過言ではありません。

安心

ただし、それでも外科手術ですので、リスクがゼロというわけではありません

白内障手術におけるリスクについてお話していきます。

白内障手術におけるリスク

それでは白内障手術におけるリスクをお話していきます。

なお、リスクに関しては手術前やカウンセリングの中でしっかりご説明させて頂きますのでご安心下さい。

手術中のリスク

手術を行う院長

手術中に起こる可能性のあるリスクは以下のものがあります。

破嚢(はのう)

眼内レンズを入れるために後嚢(水晶体を覆う膜)は残しておきますが、濁った水晶体を超音波で吸引する際に、その後嚢を誤って引き裂いてしまうことで生じます。

チン小帯断裂

目の構造
引用:千寿製薬株式会社「目のしくみと涙のしくみ

「チン小帯」は、水晶体を支える役割を持ちます。手術の際に、支えの役割するチン小帯が切れてしまうことがあります。

駆逐性出血

手術中に、いきなり目の奥(網膜下)で大出血が起きるもので、手術前に予測することは困難とされています。

その発生頻度は極めて稀とされており、ほとんど起こることはありません。

虹彩緊張低下症候群(IFIS)

手術は散瞳下(虹彩を収縮させた状態)で行いますが、手術中に虹彩の状態が不安定になることがあります。

代表例は前立腺肥大の治療薬(αブロッカー)の服用で、事前におくすり手帳を見せて頂くことで予測できる場合が多いです。

手術後のリスク

手術後に起こる可能性のあるリスクは以下のものがあります。

「後発白内障」以外のリスクは稀であるとされています。

また、当院では白内障手術に長けた医師のみが手術を行っていますのでご安心下さい。

眼圧上昇

センチュリオンアクティブセントリー

手術後に眼圧が上がることがありますが、当院では、術中に眼圧が上がりにくい「センチュリオンアクティブセントリー」という特別な機械を使用していますので、低リスクでの手術が可能です

感染症(術後眼内炎)

清潔な手術室

術後に起こる眼内の細菌感染で、手術前後に感染予防の点眼をすることで対策ができます。

また手術場・手術器具は清潔に保たれていますのでご安心下さい。

嚢胞様黄斑浮腫(のうほうようおうはんふしゅ)

黄斑浮腫
ノバルティスヘルスケア「糖尿病黄斑浮腫の「たまる水」」より引用

網膜の黄斑という部分に水が溜まり、浮腫が起こることがあります。

水疱性角膜症(すいほうせいかくまくしょう)

角膜の内皮細胞が障害されることによって起こります。

角膜の内皮細胞が少ないと起こりやすいため、白内障手術前の事前検査でチェックします。

網膜剥離

網膜剥離

白内障の手術によって後部硝子体剥離が引き起こされることがあります。

後部硝子体剝離自体は、加齢性の変化で誰でも起こるものですが、手術時に後部硝子体剝離が誘発されて、そこから網膜剥離が起こることがあります。

後発白内障

「友人が白内障手術をしたあと、また白内障になってしまったらしいんです」「知り合いが白内障手術をした後、また白内障の治療を行ったらしい。これは白内障手術が失敗したということなのでしょうか?」とおっしゃられる方がいらっしゃいますが、おそらくこれは「後発白内障」と呼ばれるもので、失敗ではありません。

また、「白内障」という文字があるのでややこしいのですが、後発白内障は厳密に言うと白内障ではありません。

原因は、水晶体後嚢(手術の際に眼内レンズを入れるために残したもの)が濁ってくること。これにより、白内障の手術後、数ヶ月〜数年して、手術前のように「まぶしくなる」「目がかすむ」ことがあります。

後発白内障を生じた場合には、手術・入院などは必要なく、レーザー治療で簡単に取り除くことができます。5分程度で終わり、視力はすぐに回復します。

YAGレーザー

YAG/SLTレーザー手術装置

後発白内障の治療は痛みもなく、5分程度で終わり、視力はすぐに回復します。

繰り返しにはなりますが、上記した手術の合併症のうち、「後発白内障」以外は起こる可能性は非常に稀な合併症となります。

当院で手術を考えておられる患者さまで、不安なこと・心配なことをお持ちの方は何でも医師にお尋ね下さい。

これって失敗じゃないの?

上記で挙げた合併症の他に、術後の患者さんが「これって失敗じゃないの?」と思われるケースで、失敗ではないことが多々あります。

実際に例を挙げていきます。

術後に違和感がある場合

手術後に「まぶしく感じる」、「ゴロゴロする」などの症状は失敗ではなく、これらの多くは時間経過とともに改善されていくことが多いです。

まぶしいという症状は、白内障手術で濁った水晶体を透明な眼内レンズに入れ替えたことによるもので、「目のレンズが綺麗になった」という証です。

まぶしさが気になる場合は、症状が落ち着くまでサングラス等で様子をみて頂くことがあります。

見え方に違和感がある場合

手術後に「見え方に違和感がある」というケースもありますが、こちらも失敗ではなく、白内障手術を行ったことによる変化となります。

「眼内レンズに変わったことによるもの」、「元々の目の度数から度が変わったことによるもの」などが考えられますが、時間経過とともに慣れていくことが多いです。

視力の改善が期待通りにならなかった場合

「思ったほど視力が改善しなかった」というケースも失敗ではないことが多くあり、「白内障以外に眼疾患があった」、「手術後への期待が大きすぎた」など様々なことが考えられます。

「視力」は患者さまにとって大切な要素となりますので、手術前に「術後の視力・見え方」のお話はしっかりとご説明させて頂きます。

白内障手術のリスクを最小限にするために

白内障手術を安心して安全に受けて頂くためには以下のことが大切です。

適切な時期に白内障手術を受ける

白内障は進行性の病気です。

進行の速度には個人差がありますが、進みすぎた白内障では手術時のリスクが高まるとされています。

適切な時期に手術を受けることでリスクを軽減することができますので、定期的に眼科受診すること、医師と相談をしながら手術時期を決めることが大切です。

術前・術後の指示をしっかり守る

リスクを軽減する上で、手術前・手術後の指示を守って頂くことがとても大切です。

手術を受ける際にはしっかりとご説明させて頂きます。

病院選びの重要性

王子さくら眼科理事長 上月直之

病気選びも重要です。

当院では、「熟練の医師による手術」、「最新の白内障機器の導入」、「丁寧なカウンセリング」を行っており、安心・安全に手術を受けて頂くことができます。

まとめ

白内障の代表的な症状は、目の霞み・見えにくさ・まぶしさなどです。

これらの症状が気になる方はぜひ一度当院を気軽に受診して頂き、医師にいろいろ相談をされてみて下さい。

実際に手術を終えた患者様からは、「すっきりした・よく見える」、「家事がしやすくなった」など、生活の質が上がったという嬉しいご感想を頂くことも多いです。

また、白内障手術に関しては、基本的には医師や家族・周りの方と相談をしながら、受けるかどうかを決めて頂きますので、その点もご安心ください。

当法人は東京都内に北区王子の「王子さくら眼科」と世田谷区経堂「経堂こうづき眼科」2つのクリニックがありますので、ご都合に合わせてお選びください。

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世田谷区の経堂駅徒歩1分の眼科。土日祝診療。駐車場完備。日帰り白内障手術、緑内障、小児眼科。区検診対応。麦粒腫や結膜炎、アレルギー。レーザーも即日行います。
この記事の監修
上月 直之

医療法人社団慶月会理事長
経堂こうづき眼科・王子さくら眼科・経堂白内障手術クリニック

神戸大学と岡山大学で学び、慶應大学病院眼科学教室を経て、2018年に経堂こうづき眼科開院。日本眼科学会認定の眼科専門医であり、地域医療に貢献するとともに、最先端の医療提供に努める。最新の白内障手術を必要とされる方に受けてもらうため2022年経堂白内障手術クリニックを開院。

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